熊本を代表するアマチュアロックバンド「THE HEAT」が10月、念願のロンドン公演を成功させた。現地での熱狂ぶりを英国熊本県人会副会長の澤田耕治さんがリポートする。
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10月6日、ロンドン・トラファルガー広場で開かれたジャパン祭り。バンドはステージに上がると、その実力で本場のロックファン数千人を熱狂させた。8日は趣を変え、市内の和食レストランでアコースティックバージョンによる演奏を披露。9日には老舗ライブハウス「ダブリン・キャッスル」に登場。数々の有名アーティストたちが出演してきた会場が入りきれないほどの盛況ぶりだった。
ボーカルの菊川雅三は、ローリング・ストーンズやロッド・スチュワート、スティングといった英国のミュージシャンの曲を中心に歌った。反響はすさまじく、すぐに観衆の心を鷲づかみに。演奏に合わせて歌ったり、踊りだす人たちも現れて会場は大いに盛り上がった。メンバーの熱い思いが観客に伝わり、どこもアンコールの連続だった。
公演は、熊本地震後のチャリティーライブなどを通して彼らと10年近く交流を続けてきたロンドン在住の音楽プロデューサー、鈴木ナオミさんが企画し実現。そして、その期待にバンドは見事に応えた。ブリティッシュ・ロックの本場で認められたと確信した。熊本の情熱、まさに“HEAT”を英国をはじめ世界に向けて発信できたツアー。熊本の誇りだと思った。
バンドがもう一つの目的にしてしていた、次の世代につなげる世界への道筋作りの礎にもなった。後に続くだろう熊本の若者たちにロンドンからエールを送りたい。